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ファタモルガーナの館 フルコン感想

 

 

ファタモルガーナの館フルコンプしましたので感想です。

 

ファタモルガーナの館 -COLLECTED EDITION- - PS Vita

ファタモルガーナの館 -COLLECTED EDITION- - PS Vita

  • 発売日: 2017/03/16
  • メディア: Video Game
 

 

 

※ネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

はじめに

 

Switch移植決定おめでとうございまーす!積んでる作品は気持ち的に移植版発売前に終わらせておきたく慌ててプレイするに至った次第です。

 

なお今回の感想内容ですが、ひたすらに思ったことを書き連ねておりますゆえ要点も何もございません。悪しからず!

 

 

 

本編

 

 伏線の塊である最初の3つの扉の物語は、それぞれ悲劇な結末が心臓に刺さり面白くはあったのですが、主人公である「わたし」が関わらない第三者目線という立場だったのでちょこちょこ眠くなりながら読み進めていました。絵本読んでもらっている子供のような気分。にしては内容はハードですが。しかし今となっては各々はっとする部分しかなくて逆に目が冴えそうです。

4つめ扉の、白い髪の少女ジゼルと触れると死に到らしめる呪いを宿したミシェルの美しい物語、ワタシ泣いたんですよ。やっぱり悲しいけど美しい物語好きだなと思いながら。騙された!!もっと人間らしく負の感情が伴うものだったはずだっていう主張でええっ違うのって驚きと共になになに、怖い〜というドキドキ。そしで女中さんがジゼルだったとは。後から思い返すと美しすぎる物語、館を彷徨う中で訪れた風景画や寝室での一幕を考えるとすごく違和感あったのに何故信じてしまったんだろう・・・。この場合騙されやすいのはいい事な気はしますが。この手の作品は騙されたほうが楽しいです。

 

この世界の主要人達、根っからの悪人っていないのが一番の悲劇な気がする(狂気は含まない)。とは言ったけどジョルジュお兄ちゃんの嫁はあかん。あの人はあかん。ミシェルはの仕打ちが悪魔の所業としか思えない怖い。あとモルガーナ母もあかん。捨てられた可哀想な境遇の人であっても自分で聖女に仕立てといてあんまりよ。 モルガーナが「人」として受け取れるものを受け取ってこられなかったのは「聖女」だったからでしょ。子どもの芯の部分を作り上げる時期にあんな風に、洗脳のように、最も信頼する人に言われたらさ。

 

ミシェルとジゼルの愛が愛で好き。互いの心に負った傷のせいで一方は心を開かない疑心暗鬼、一方はそれでも前向きでいよう笑顔を向け。悪い方向にぴったりと噛み合ってしまった歯車がただただ悲しい。

ジゼルはミシェルに追い出されたも同然の森で死ぬことなく助けられ村でのあたたかさを知って、あの時点で心が救われたじゃないですか。一度救われた心が折られることは、救われないままでいるより受け入れ難いことだと個人的には思います。

ミシェルに殺してと叫んだ時のジゼルは痛々しかった。痛々しさなんて珍しくもない作品ですが、ジゼルの前向きさや笑顔をことごとく踏みつけられることによる「精神的な痛々しさ」をここで強く感じました。本当に二人とも最初から腹割って話せていたらね・・・(絶対無理)

最後を知っているから必要なことだったとは思うけれど。

 

メルは否定はしないけれど苦手なタイプ。素のねちっこい時の方が好きでしたね。だからといって優しさ全てが保身だったわけでもなく。似たようなことはたいていの人は考えてしまうと思うしそれでもいい。彼の場合そこに「逃避」と自分は悪くないという「責任転嫁」が突飛していたから、悲劇がより悲劇になってしまったのだと感じました。

ミシェルも言ってたけど、彼の乗り越えなければならない壁は他の人と比べると大きくて逃げたくなるほどだとは確かに思うけれど。私が彼を苦手なタイプだと言った理由が「自分が一番不幸だと思っている人に腹が立つ」なんです。抗おうともしていないくせにってね。

脅された彼に対して酷い考えなのかもしれないけれど、ワタシはそう考えながら生きている。自分の人生だもの、いい結果だとしてもそうならなくても何もしないまま不幸だと思って生きたくはないもの。

 

ユキマサは相当危険な感性の持ち主だけどポーリーンも危険とは違うところでネジが外れているなと感じました。信じるって難しい。誰かを信じ抜くことは美徳だけれど、ポーリーンを心配するマリーアの気持ちを思うとそれが正しいのかどうかは難しい、盲信と紙一重。彼女の私だけはユキマサを信じようという気持ちは恋心のせいか境遇のせいかは私にはよく分かりませんでした。とにかく「疑問に思うことは悪」という強い思想をしているように感じてなりませんでしたね。しかしそんな彼女だから彼の鎖であったのだと思うので、愛とは別の運命的な出会いだったのでしょう。

 

ヤコポ!物語の中でそんな重要な役割を担っていたなんてびっくり!いやー・・・彼も辛いな。結局最後まで彼の苦悩を知った人っていないじゃないですか。魔女が知った過去も、過去の領主≠塔での領主ってことと、実は奴隷の少年だったという事実が主じゃないですか。てことはですよ、彼が領主になるまでの苦悩の経緯や亡霊に苦しめられた事実、貧民街を良くしようと時間はかかるが努めていたこと、ジェレン裏切り(言ったのはグラシアンだけ)、グラシアンに殺されかけたこと、誰も信用出来なかったこと、もろもろ誰にも伝わっていないってことですよ!!救われなさすぎてしんどい。だからといってやってはいけないことはいけないのですけれど。

最低です、最低なんですがだったら彼が悪いの?嫉妬に狂った仲間に毒を飲まされた、ジェレンの裏切りやその感性を仲間を思って隠した、愛した女を殺されて自分が力を手にして変えようとした。・・・だから、悲劇の物語なんですよね。人間そうやって歴史を積み重ねているのかもな、なんて頭の端っこで考えてしまいました。

 

何回泣いたかな。言うほど嗚咽を漏らしながら、という泣き方はしていないのですが悲しくて悲しくて頻度は高かった。幸せシーンでも泣いた。ミシェルとジゼルの転生先での再会、あれは泣いた。転生後前世の記憶を背負って会えるまで待ってるの好きしかありませんし、今世がダメだったら来世って言ってるの喜びしかないミシェジゼお幸せに・・・!(嬉涙)

 

そうそう、館を離れる時に兄達との話しも絡んでてよかったです。ディディエお兄ちゃんがちゃんと苦しむ心を持っていて良かった。見た目から誰より男らしく頼りになる長男だったけれどそういう状況を余儀なくされていたのは同情します。(ワタシも長女だし見た目もしっかりしてる方なので欠片くらいは共感出来ていると思う)風景画の彼もミシェルの死後色々あったようで・・・何もしないことは大罪。沁みます。 

 

白い髪の少女。モルガーナだと予想はしていた、けど、辛い。ただ生まれてしまったから、生きたかっただけなのに。自分が存在しては誰かを不幸にするってそんな悲しいことはないです。なので、現代編で焦がれた小麦畑を見ているシーンには救われた。欠片でもその魂が救われたことに安心しました。

 

 

外伝

 

 本編の補足どころか本編の一部でうわああああん!モルガーナのヤコポ視点で進む悲劇の物語。分かっていたけど悲劇でした。丁寧で美しいCG達でリアリティというかより鮮明に感じられて痛々しさに精神が抉られる。

最初からグラシアンいけすかねえな!と思っていたけれど私の感覚は正しかった。何が戦友じゃ結局名声が欲しかったんじゃないか。

 

ジェレンはびっくりどっきり過ぎました!倫理感ぶっとんでたの気付かせないって、しかもそれが悪意を持ってやっているわけじゃないのが何より怖い。領主とジェレンはワタシには理解出来ない絆があったことは伝わりました。お互いの理解者という訳では無いけれど、「ありのままでいる」それだけのことを許してくれる存在。怖がらず、否定されない。あの関係は安らぎだったのかもしれません。

 

一人の少女として扱ってくれるヤコポ。彼の存在は彼女にとって大きかったことをすごく感じました。彼女が彼に惹かれる理由や過程は徐々に募っていく、気付いていく感覚を感じた半面、逆にヤコポがモルガーナに惹かれるのにその瞬間があったこと、つまり「僕はこの人が好きだ」(実際こんなセリフはないけど)というような腑に落ちた瞬間があったのがえもももで好きでした。

二人の場合、10歳差というよりも大人と子供という社会的立場が障害なわけですが(20歳と30歳、30歳と40歳とは違う)魂が惹かれてしまったらどうしようもないんだよなうんうん。白い髪の少女と屋敷の主人であった3つめの扉のお話しも振り返ると魂が惹かれていたのですよね。・・・彼の大事なことほど口にしないの頭痛くなる。

そしてそれを思うとマリーアとヤコポのすれ違った悲しさに胸が苦しい。親友。呪いの力があるとはいえヤコポに対しても白い髪の少女に対しても彼女らしくない貶める行動は切なくなるけれど、前世の結末は悲惨だったからなんか・・・なんともいえない。誰かを思うことは素敵なことのはずなのにそのせいで苦しむの辛い。

 

ラストのフラグメントはヤコポの魂が最後に見た夢想だと思いきや。ねええ現実!!魂の話しだけども現実って言っても過言ではないですよね。留まり消えようとしていた彼をモルガーナは導いて現代に繋がるとか。悲劇の中の希望がこれほどに泣きたくなるものだとは。

 

 

 

現代編

 

 アニメチックになった絵にはじめは違和感を感じましたが声付き、また現代の表現としては全然ありでよかったな。唯一マリーアの声が可愛すぎたのが気になったけども。

 

呪いを受けた3人が現代でどのように前世でたてた誓いと向き合うか、丁寧に描かれていたと思います。メルとネリーは兄妹じゃなくなって恋人になるの?って思っていたけどそんなことはなかった(そりゃそうだ)。後出しで実の兄妹でしたって言われた時のネリーの気持ちを思うと切ない。てか現代編のメルくんあなた想像以上にこじらしてて正直嬉しかったよ、君はそういう人だったね。あとパジャマはダサいおぶダサい、指摘はするけど否定はしないよ!同じ状況に逃げず追いかけたメルと彼の兄妹としての気持ちを受け入れたネリー。彼女は自分を見てくれる素敵な男性と出会って欲しいです。でもおそらく結婚しなさそうって思ってるとこある~。

 

問題のユキマサ。現代であの欲望をどうしているのかめちくちゃ気になっていました。一線は越えない喧嘩(殺人未遂並み)で抑えていたけどあの悪い顔は・・・ひええ。ポーリーンの首絞めて現実だと気づいた途端慌てて死なせまいと行動したシーンなんだか涙が出てきてしまいました。そこまでの欲望を抱えていても彼女が大切だという気持ちの方が勝った事実に泣けてしまった。それとポーリーンの彼を愛しているという揺るがぬ気持ちにも。誰か殺したくなったら一番に私を殺して、自主して。乙女ゲでいうとメリバ風味ですがこれは二人なりのハッピーエンド。うーん、エンドというよりここが始まりかな。とにかく好きだった。愛が芽生えなくとも「想う」ことは人であれば出来ることですから・・・。

 

モルガーナ今世でも家族の愛が得られないの可哀想でならない。呪うことをやめたけれど許すことを放棄した先が現代編。ここであのフラグメントがこんな風に関わってくるのずるいですって。殺した側、殺された側、生まれが変わってもその痛みも苦しみも後悔も覚えている限り割り切れない二人。それでも愛している事実は変わらず苦しくて苦しくて呼び止めてしまったヤコポに息苦しい思いをしました。

ゆっくり、時間をかけて、モルガーナをどうか幸せにしてあげて。過去を過去と受け止めて、振り向かせて愛していると言わせてあげて。モルガーナも今目の前にいるヤコポから受け取ったものをどうか一つ漏らさず心に刻んで。自分のために全力で怒ってくれて、全力で喜んでくれる彼の傍で生きて。はーーーーー。ありがとうございます!!

 

 

ShortStory

 

感情吐きたいものをチョイスしました。

 

「Boy meets Girl」

ミシェルとジゼルが過去会っていたお話し。オチの「翡翠の瞳」って文字見た瞬間まじかよ・・・なワタシの感情をどうしてくれようか。この事実だけでワタシ沸騰できそうな気がする!迷子になったジゼルを導くミシェル、とうとい。彼女にまた会いに行こうという思いも記憶ももう忘れ去ったとしてもその奇跡があったことをワタシは覚えているよ。そしてタイトルめっちゃ良くないです?ここでBoyなんだよ。そうなんだよ。

 

「絵画のひとりごと」

ジョルジュお兄ちゃんの独り言。少しだけ触れましたがミシェルの死後見逃していた多くのことに気付いた彼は何もしないことは大罪だと断言しています。

軽口な口調で語っていたけれど、風景画としてあの館にいるということはかなり罪の意識を持っていたはずで想像に容易いです。彼の死後エメが権力を持ったのでしょうか?それとも父に買い物に行かされていた次男は何かを怪しんで母を糾弾したのでしょうか?長男とエメの思想は同じだったのでしょうか?それはまたまた違う物語なのでしょう、語られたのはあくまでジョルジュの物語ですから。

 

「Ⅱ.Pain」

とあるバッドエンドのその後の物語。そんなものまで読めるとは、歓喜。「大切だからこそ手放す」決断をしたジゼルはミシェルの魂を無に返し、魔女モルガーナとの呪いの日々が続いていきます。時が流れ三度目の破滅への生を与えるというモルガーナはメル、ユキマサと順に周りそしてヤコポ。ヤコポ・・・償いたいという強い思いを抱えていてその魂は消えてしまった。までかと思いきや。狂っていたはずのジゼルが自分だと思っていたはずの名前、モルガーナの名で魔女を呼び、女中の一人称を「わたくし」ではなく「わたし」と言うではありませんか。

貴方にも全てを失って欲しかったと口にする二人目の魔女の誕生です。・・・人の絶望など測れないことを魔女も知っていたでしょうに。(説明的になってしまったがどうかこの感情が伝わって欲しい)

 

「それは遠い日の、安らぎのフラグメント」

ヤコモル!!ヤコモル!!!現代でも熱を出したモルガーナと看病をするヤコポの物語がきっとあるはず。逆も良いですね、ヤコポの看病をするモルガーナ、うん、素敵。

 

 

 

おわりに

 

ファタモル楽しかったですー!心に傷と希望を宿らせてくれて感謝イタシマス。時間が経って再プレイが叶いそうな際にはSwitch移植版でプレイしたいと思います。お付き合いくださった方ありがとうございました。

 

 

ちよこ